第40回 通常総代会ごあいさつ
第40回通常総代会の開会に当たり一言御挨拶を申し上げます。
本日は、年度末のお忙しい中、ご出席頂き有り難うございます。また、ご来賓として、上越地域振興局農林振興部河村副部長様には公務ご多用のなか御臨席賜り誠にありがとうございます。
令和6年産米は例年にない高い取引価格で推移し、業者間取引では5万円/60㎏を越える等の新聞報道も多く見られるようになりました。米価の高騰に対し政府は備蓄米21万tの放出により流通の適正化に努めたところですが、このような高騰にも関わらず生産者への還元は少なく「マネーゲーム化」に巻き込まれている現状は、生産者、消費者共に良くない状況であると危惧しております。
新聞等をみますと令和7年産米も一定の価格水準になりそうな記事が多く見られ、3月4日付けの新潟日報によると「一般コシ23,000円 35%高」とあり、これはJA全農新潟本部が県内の地域農協に示した令和7年産米のコシヒカリ 一等米 60㎏当たりの最低保証額です。農家経済が潤うことを願う当土地改良区にとっても大変喜ばしいことです。これを契機に、コスト低減一辺倒の政策からくる価格低迷から、生産コストを考慮した適正価格が定着することを願っております。
2月28日に発表された一般財団法人 日本穀物検定協会の令和6年産米の食味ランキングにおいて、上越米は残念ながら2年連続「A」となりました。清く冷たい用水を供給している当土地改良区にとっても大変残念なことでした。温暖化による高温障害もあるかと思われますが、引き続き清く冷たい用水が供給できるよう努めてまいります。
後ほど、担当より詳細な説明がありますが、令和7年度は次のことを重点的に事業運営に努めて参ります。
【積雪状況と用水配水について】
笹ヶ峰ダム周辺の積雪状況は、2月20日に過去平均で301㎝のところ436㎝を最高に、3月27日現在は295㎝の積雪量です。
これで春のかんがいとダムの貯水は、問題なく計画どおりの運用ができる見込みです。
【国営事業 関川用水地区の完工について】
平成26年に採択された国営かんがい排水事業 関川用水地区は、令和6年度までに事業費157億4千万円が執行され、進捗率は97%となっております。完了予定である令和7年度は、事業費で5億6千万円が予定されており、総額で163億円になる見込みです。
事業完了を迎えるにあたり、改修した施設が将来にわたり安定した機能が発揮できるように確実な事業の事業完了に向けて農林水産省北陸農政局と協議を行ってまいります。
なお事業完了に伴い、地元負担金の償還が令和7、8年にわたって行われます。事業を始める前の同意徴集時に、直接農家負担を求めない約束のもと、事業を進めてまいりました。地元負担金は土地改良区の積立金から支出することで対応いたしますが、今回の事業で全施設の更新ができたわけでなく、県営等の多くの土地改良施設を抱え、更新の時期が迫ってきており、今後の課題となっております。
【ほ場整備事業の早期完了と新規採択について】
令和7年度は、関川水系土地改良区管内で初めて農地中間管理機構関連農地整備事業 清里第3地区が採択されます。
既に採択されている県営ほ場整備事業 今池外8地区と合わせると10地区が同時進行となります。
既存の採択地区の中からは、農地中間管理機構関連農地整備事業への乗換手続きも始めてまいります。具体的には、既存地区を小さい地区に計画変更し、残ったエリアを農地中間管理機構関連農地整備事業として採択する方針であります。
大区画ほ場に整備するとともに、スマート農業やV溝乾田直播をコスト縮減につながる手段として推進しており、令和7年度においても今までと同様に積極的に進めます。
【賦課金等検討委員会の設置について】
令和7年4月施行予定の土地改良法の改正に伴い、「土地改良施設等連帯管理保全計画」通称「水土里ビジョン」の作成が必要となります。
これは、地域の農業生産基盤の保全と土地改良区の運営基盤強化が柱になっており、土地改良施設の更新に必要な積立や土地改良区の財政基盤健全化を求めるものです。令和6年度当初より財政健全化の計画を進めてきた当土地改良区の方針が偶然にも一致する形となりました。
3月11日に行われた第1回の委員会では、委員の皆様から貴重なご意見をいただきました。
そのご意見を真摯に受け止め、改めるところを改め、組合員のご理解を得ながら、役職員一丸となって財政の健全化に向けて進めていく所存でありますし、総代の皆様からも特段のご理解を今からお願いいたします。
なお、この経常賦課金の単価改定の議案は、次回の臨時総代会に提出し、議決をいただければ、令和8年度予算から反映させたものにしたいと考えております。平成18年の土地改良区合併以来、積立金を取り崩しながら運営してきたこと、減少した積立金を少しでも回復傾向にさせるためには、相応の負担が必要です。上越地域の農業・農村の将来を考えた上でご判断いただき、ご理解をいただきますことを重ねてお願いいたします。
【女性理事の就任について】
昨年度から検討し、昨年の臨時総代会で定款変更を議決いただきました女性理事の登用は、2名の理事が2月4日に就任いたしました。
ここでお二人の理事、橋本理事、鈴木理事を紹介します。
二人の理事からは組織の持続の可能性を高め、地域の活性化につなげるため尽力して頂ければと思っております。未だ女性理事登用が浸透化されてない土地改良区も多いことから、当土地改良区の積極的な姿勢を示すことで、予算の獲得等においても効果があるものと考えておりますので、皆様からもこの体制についてお力添えを頂ければ幸いです。
結びに、本日提案いたします議案は、令和6年度補正予算、令和7年度事業計画並びに予算など22件と報告1件であります。皆様方からの慎重審議をいただき、議決・承認くださいますようお願いを申し上げまして開会の挨拶といたします。
令和7年3月28日
関川水系土地改良区
理事長 野 口 和 広