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理事長室

第42回 通常総代会ごあいさつ

 第42回通常総代会の開会にあたり、一言ご挨拶申し上げます。総代各位におかれましては、年度末、農繁期を控えご多忙のところ、ご出席を賜り厚く御礼申し上げます。
また、上越地域振興局農林振興部の竹内副部長様におかれましては、公務ご多用の中ご臨席を賜り、心より感謝申し上げます。

 まず、2月10日に発生した土地改良区発注の耕作条件改善事業(新道第2地区・排水路第4次工事)における死亡事故についてご報告申し上げます。一次下請である㈲興農の作業員の方が、地中のコンクリート升内で作業中、重機の移動時、履帯に敷鉄板が挟まり、跳ね上がった敷鉄板とコンクリート升に挟まれ亡くなられたものです。改めまして、謹んでご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族に心よりお悔やみを申し上げます。当土地改良区としても、この事故を極めて重く受け止め、請負業者である㈱草間組に対し安全管理体制の強化と再発防止策の徹底を引続き強く求めてまいります。

 次に、農業情勢について申し上げます。令和7年産米は依然として高い価格水準で推移し、農家経済の改善に一定の寄与が見られました。一方、報道等では、高値で売れ行きが鈍り、値下げ販売に踏み切る事例があると紹介されていますが、消費者にとっては依然として値ごろ感が乏しいとの指摘もあります。4月1日に一部改正が施行される、いわゆる「食料システム法」では、合理的な費⽤を考慮した価格形成の実現、食品の付加価値向上により、消費者の理解を得ながら、食料システム全体で食料の持続的な供給を実現することが掲げられております。これにより農家との取引関係はより安定し、合理的かつ透明な価格形成が促進されることを期待しています。

 また、令和7年4月には改正土地改良法が施行され、「整備」に加え、土地改良施設の「保全」に関する施策が明確化されました。当土地改良区では、連携管理保全計画、通称「水土里ビジョン」の策定を最重要課題の一つとして位置づけ、施設保全の計画性向上に取り組んでまいります。気候変動の影響も深刻化しております。日本穀物検定協会が発表した令和7年産米の食味ランキングでは、上越産コシヒカリが3年連続「A」評価となりました。清く、冷たい用水を供給する当土地改良区としても大変残念でありますが、気候変動に対応した水管理の重要性は一層高まっております。今後も安定した用水供給に向け、施設管理の強化に努めてまいります。

 なお、本日現在の笹ヶ峰の積雪量は1.63mで、例年の58%程度にとどまっております。春の用水需要期における大きな不足はない見込みですが、向こう3か月の気温は高めと予想されております。今後の天候・降雨・河川流況次第ですが、早ければ6月10日以降に即時番水を実施する可能性もあります。その際には、皆様方からご理解とご協力をお願い致します。いずれにいたしましても、限りある水資源であることをご理解いただき、節水も含め、効果的な用水利用へのご協力を重ねてお願い申し上げます。

 令和8年度は総代・役員選挙の実施年度であり、重要な節目の年でもあります。また、賦課金改定後の初年度にあたり、新たな賦課体系のもとで安定した財政運営を確立することが求められます。以上の情勢を踏まえ、令和8年度は次の事項を重点に事業を推進いたします。

1.土地改良施設の保全強化と効率的な用水管理
 水土里ビジョンの策定を本格的に進め、老朽化施設の点検・更新計画、災害時の業務継続計画(BCP)の具体化、長期的な保全計画の明確化を図ってまいります。また、水管理システムの活用や東北電力㈱との連携により、省力化・効率化と安定的な用水供給の確保に努めます。異常気象が常態化する中、渇水期の番水(輪番制)についても、気象・河川流況を踏まえ迅速に体制移行できるよう備えてまいります。

2.圃場整備事業の着実な推進
 国が令和7年度から11年度を農業構造転換集中対策期間と位置づけたことを踏まえ、事業主体である新潟県に委ねられる部分が大きいものの、大区画化や集積・集約を一層推進し、地域の営農再編と生産基盤の強化が着実に進むよう、可能な限り取り組みを進めてまいります。大区画化等加速化支援事業などを活用し、農地の大区画化・汎用化、担い手への農地集積、園芸導入を進め、農家所得の向上につながるよう新潟県と協議しながら取り組みます。重粘土地域である上越地域では園芸導入に高いハードルがありますが、先進事例の収集や適地整備を進め、実効性のある取り組みを図ってまいります。

3.国営かんがい排水事業完了後の事業推進
 令和7年度で完了した国営関川用水農業水利事業の成果を踏まえ、笹ヶ峰ダム堆砂対策の早期着工に向けた要望活動を本格化させます。国立公園内であることから堆砂の運搬場所等に課題がありますが、大学駅伝の練習地として評価が高いことを踏まえ、堆砂の有効活用の可能性を妙高市長等と協議し、環境と調和のとれた計画を策定してまいります。また、直轄地すべり対策事業(笹ヶ峰二期地区)についても、堆砂抑制に不可欠であることから、引き続き要望してまいります。

4.組織運営の強化と役員体制の充実
 令和8年度は役員選挙の実施年度であります。理事定数の増員は、監事が持ち回り制であることから旧村単位で理事の空白が生じること、また複数旧村を選挙区とする現行制度では選挙結果により偏りが生じる懸念があります。この点につきましては、現在理事会で審議が終わり、夏の臨時総代会で提案する準備を進めているところです。役員選挙は新制度で実施したいと考えており、これにより地域代表の確保と意思決定の迅速化につながるものと期待しております。

5.財政基盤の安定化
 令和8年度は、賦課金を改定し最初の年度となります。新しい賦課の仕組みのもと今後も安定して運営していくため、今年度はまず収支の状況を入念に確認し、中期的な財政計画の見直しを進めてまいります。併せて、組合員の皆様の負担ができるだけ公平となるよう役職員が一丸となって取り組んでまいります。また、施設保全の方向性を示す水土里ビジョンとのつながりについても確認の上、分かりやすく、透明性の高い財政運営に努めてまいります。

結びに、本日提案いたします議案は、令和7年度補正予算、令和8年度事業計画並びに予算など合計28件と報告1件であります。
皆様からの慎重審議をいただき、議決・承認くださいますようお願いを申し上げまして開会の挨拶といたします。

令和8年3月27日

関川水系土地改良区
理事長 野 口 和 広